【UN Women 石川雅恵日本事務所長インタビュー!】「中小企業が世界を変える、具体的なアクションとは?」

私たちWoman Empowerment Platform(通称WEP)では、SDGsゴール5の「ジェンダー平等を実現しよう」の達成に向けて、主に中小企業を対象としたジェンダー問題への取組みを推進しています。しかし「ジェンダー平等」という言葉に対して、日本ではまだまだパッとしない印象が強いのではないでしょうか。

そこで、本日はジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関である「UN Women」の石川雅恵日本事務所長にお話をお伺いしました。

石川雅恵日本事務所長プロフィール

国連本部及び地域・国事務所において約20年間、資金調達とパートナーシップス構築業務に従事。1998年より日本政府国連代表部専門調査員として、ニューヨークにて女性の人権にかかわる事案を担当。その後UNICEF本部でアシスタントプログラムオフィサーとして子供の性的搾取撲滅に取り組む。2003年よりUNFPA(国連人口基金)に資金調達官として、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド及び韓国との関係調整を担当。その間、組織内短期赴任制度によってUNFPAシエラレオネ国事務所にて代表補佐、アジア・太平洋地域事務所にて資金調達とパートナーシップスに関する顧問を務め、また1年間国連事務局人間の安全保障ユニットに資金調達官として出向。2017年10月より現職。兵庫県立神戸高校、関西学院大学社会学部を卒業後、オレゴン大学国際学部学士、神戸大学大学院国際協力研究科法学修士取得。

一般社団法人WEP寺田有希実代表理事プロフィール

2008年パートとして三承工業に入社。当時ブラック企業だった同社に風土改革を起こし、職場改善を女性リーダーとなって導く。改革実例として、カンガルー出勤制度の導入、ノー残業デーの導入、職場環境改善、社内での女性比率の向上、一人当たりの生産性の向上などがあげられる。結果、2018年外務省主催第2回SDGsアワード特別賞を中小企業として初の受賞を導く。現在は同社の幹部社員でありながら、社内での改革を社外にも生かしたい想いから2019年一般社団法人Woman Enpowerment Platformを設立。現在代表理事を務める。

 

ーPOINTー
・“HeForShe”を日本の政治界・経済界の男性リーダーたちが宣言したことが大きな鍵に
・日本人が外国人労働者からジェンダー平等を学ぶ視点も必要
・ジェンダー問題は二足のわらじと同じで、女性だけにフォーカスを当てすぎてもNG
・男性の悩みを「ジェンダー平等の実現」の中で同時に解決していく
・「女はこうあるべき」「男はこうあるべき」をやめて、柔軟に解釈していく世界観が大切

日本は今、男性リーダーのアクションによって変化している

寺田代表理事:

私たちWEPでは、SDGsゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」の達成を推し進める団体として、女性の活躍を推進する活動を行っています。私たちは日本のジェンダーギャップ指数が埋まらない理由のひとつとして、ジェンダーギャップに対する意識や認知率の低さ、具体的な行動を起こすアクションの手立てが浮かばないことに問題があると考えています。

世界で活躍されている石川様は、日本のジェンダー平等において意識や認知率を上げるためにどのようなアクションが必要だとお考えでしょうか?

石川所長:

今まではジェンダー問題に対して、ごく一部の女性たちが声を上げるケースが多い現実がありました。特に「男性はジェンダー問題の解決において場外」という印象が強い傾向にありました。しかし、私たちUN Women(国連女性機関)では、男性の意識を変えることがジェンダー問題解決の一歩だと考え、ジェンダー平等を求めるグローバルな連帯運動“HeForShe”という運動を開始しました。

寺田代表理事:

私たちもジェンダー平等の実現にむけて活動する中で、社長や幹部の男性が抱く、意識やビジョンがとても重要だと感じています。

“HeForShe”について読者の皆様へ具体的な内容をご説明いただいてもいいでしょうか?

石川所長:

世界の人々は今、ジェンダー平等の考え方を理解し、支持するようになっています。

“HeForShe”は男性をはじめとするあらゆる人々に、「女性と連帯した一大勢力となって、ジェンダー平等を推進しよう!」と呼びかける招待状のようなものです。女性と共に、また皆で力を合わせてビジネスを築き、家族を育て、地域社会から得た利益を還元しようと取り組んでいます。

具体的には、世界的な男性リーダーたちがこの“HeForShe”を宣言し、2020年までに行う行動をコミットしています。政治的、経済的、大学の男性リーダーたちが“HeForShe”を掲げ、コミットしたことで、世界は変わり始めたと私たちは実感できるまでになっています。

“HeForShe”を日本の政治や大学の男性リーダーたちが宣言したことが大きな鍵に

寺田代表理事:

“HeForShe”の活動は私たちの中で、世界中でとても勢いのある大きな運動だなと、私たちまでパワーをいただく想いでいつも拝見させていただいておりました。具体的な“HeForShe”の成果はどんな点だと考えますか?

石川所長:

HeForShe運動が開始したころは日本では賛同者も少なく「ジェンダー平等の問題に対して関心のない国」というステータスだったんです。

しかし、UN Women日本事務所が様々な関係者と協働し“HeForShe”賛同者を増やす努力をしたところ、なんと!昨年は「ジェンダー平等の問題に対してとても関心のある国」というステータスへと変化していきました。これは私たちの中で大変嬉しい成果でもありました。

寺田代表理事:

それはすごい成果ですね!私たちは主に中小企業に対してジェンダー意識を改革していこうと行動しているところなので、そのような成果は大変励みになります。具体的にアクションを起こしていくことが重要だと日々痛感しておりますが、UN Women様では、具体的なアクションをどのように促されていますか?

石川所長:

“HeForShe”の運動の一環として、こちらの「アクションキット」という冊子をお配りしております。

誰かが行動したら今すぐ世界は変わる、とかそうゆうものではないですが、やはり一人一人が考え、アクションを起こしていくことが重要だと考えています。

中小企業が世界を変える方法とは?外国人労働者からジェンダー平等について学ぶ姿勢があっても○

寺田代表理事:

中小企業が今起こすことができる、ジェンダー問題解決に向けてのアクションとはどのようなものがあるとお考えになりますか?

石川所長:

ジェンダーギャップ指数でいうと、今、日本に働きにみえる方たちの国の方がランキングはかなり上だったりします。

ですから、ジェンダー平等において私たちが彼女ら・彼らから教えてもらうことってたくさんあります。実際に外国人労働者が多い企業の中で、働き方に関する提案をいただいている企業事例もあります。

寺田代表理事:

なるほど!日本で働いてみえる外国人に、ジェンダー平等について意見を聞く機会を作る事はあまり考えたことがなかったので、それは大変参考になります。確かに、今後外国人労働者が増えていくことが日本にとって一つのチャンスなのかもしれませんね。

石川所長:

ジェンダー問題だけにとどまらず、外の声が日本に入ることで、日本は様々な分野でもチャンスが増えていると思います。いい悪いではなく、日本は先進国というだけで私たちは外国人労働者より優れている、というバイアスがかかっている傾向にあるけど、ジェンダーギャップ指数において私たちの国のランキングは下から数えた方が早いわけで。

日本人はこれから外国人労働者とうまく共生することで、解決できる問題はたくさんありますね。

 

「ジェンダー問題は二足のわらじで、女性の環境整備だけやっていてもNG!」

寺田代表理事:

世界を知るからこその石川所長の視点やアイディアが目から鱗なのですが、中小企業がジェンダー問題を解決するアイディアが他にもあれば教えていただけますか?

石川所長:

ジェンダー問題は二足のわらじと同じで、片方である女性のことだけに重点を置いて取り組んでいてもダメなんです。

女性のエンパワーを引き上げるには、男性の柔軟な働き方も必須。男性の中にも“大黒柱バイアス”と言われる、男は大黒柱であるべき、みたいな固定観念がある方もいるので、社会として、会社として男性の自由な生き方をサポートすることが必要だと感じています。

寺田代表理事:

私自身が女性ということもあって、女性の悩みは比較的耳に届きやすいです。しかし、思っていることをあまり発しづらい男性もいると思うので、意識して寄り添いたいと考えています。

石川所長:

今、ジェンダー平等が進むにつれて、肩身が狭くなっていると感じている男性も日本には多くいます。男性の悩みを「ジェンダー平等の実現」の中で同時に解決していく視点もあってもいいのだと思っています。男性リーダーはぜひ、男性だけで男性の悩みやジェンダー平等について腹を割って話すような場を作ってみてほしいです。

寺田代表理事:

ジェンダー問題は男性も女性も中性も皆が関わっていく問題です。「女はこうあるべき」「男はこうあるべき」をやめて、柔軟に解釈していきたいですね。

WEP 元記事

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