SDGs コラム

モノを廃棄するには、お金がかかる現実を。「アベノマスク」8000万枚は、希望者に配布

捨て方を学ぶ。捨て方が綺麗な人でありたい。

「必要なければ捨てればいい」そんなことを言えない時代になりました。コロナ禍の断捨離ブームで、モノを手放した人も多いでしょう。手放し方はそれぞれ、メルカリなどで販売した人、知り合いに譲った人、寄付をした人、ゴミとして捨てた人などなど。不要なモノが目の前から見えなくなるのは、気持ち的にスッキリします。

しかし、断捨離はヨガの考え方で、「断行」「捨行」「離行」という言葉からの生まれた言葉。安易にモノを手放す(捨てる)のではなく、モノに執着せず、捕らわれず生きていくという意味です。

その意味を考えたとき、安易にモノを捨てることと同時に、安易にモノを買うことの方を考えてしまいます。モノを手放すのにもお金がかかる時代。一般家庭でも、大きなものは自治体の粗大ごみ処理券を貼って捨てます。

また、1998年には、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)がスタートし、エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は、自治体のゴミとしてすることができなった。

捨て方のマナーは、人としてとても大切なことです。

それは、コンビニのゴミ箱が店内に置かれるようになったことからも分かるように、家庭ごみを持ち込む人が居ること。自分の目の前から消えれば良いのではなく、どう捨てるか? それが問われる時代になりました。自治体により分別の仕方は違います。捨て方を学ぶことこそ、これから必要になってくるのではないでしょうか? それが社会人のマナーにもなるでしょう。

「アベノマスク」8000万枚の廃棄に6000万円

必要だと思って用意されたモノも不要だと分かると、廃棄となります。「アベノマスク」と呼ばれている布マスクは、廃棄にお金がかかるだけでなく、保管に億単位のお金がかかっていることから、希望者への配布を行うことになりました。マスクの素材はガーゼ。清潔であれば、ガーゼの使用用途は多いはずです。より多くの必要とされる方の元に届くことを祈るばかり。しかし、それでも残ったものは廃棄されます。そこにかかる費用はいくらになるのか?

このようなニュースを見ることで、考えるのは大量廃棄に繋がる大量生産の怖さ。主に、期限が決まっているものは廃棄になる可能性も多いです。身近なところでは配布目的で作られる印刷物も、目的の日(開催日など)が終わってしまえば、ゴミになってしまいます。ネットの時代になったといっても、企業が配るノベルティなどモノを配布する文化はまだあります。モノがあることで認知させる、思い出させるという効果があるからです。30年ほど前は、年末には取引先からカレンダーが届いたものでした。OL時代、年末に会社に届いたカレンダーのなかから好きなカレンダーをもらって帰ってきて自宅で使っていました。今では、カレンダーを送る企業はかなり少ないのではないでしょうか? 理由は、カレンダーの使用頻度と好みのものを飾りたい(一年という長い間、目にするものだから)から。そして、期限があるものゆえに、使われないと廃棄となる。また、配る時期が限られているからではないでしょうか?

企業が配布するものも、期限のない汎用性の高いものに変わったように感じます。しかし、安易に受け取るのも悩ましいところ。レジ袋が有料化になった頃、多くの企業がエコバックをノベルティとして配布しました。正直、私もいくつか受け取りました。しかし、ひとつのエコバックはかなり長く使えることから、いくつかは出番を待つキープ状態です。モノを受け取ることの難しさも感じる日々です。

年末に集中せずに、少しずつ行うことも。

ゴミの捨て方のひとつに、捨てるタイミングもあるようです。やはり年末はゴミの量は増えるよう。

「皆さんにお願いがあります」世間の”大掃除”が及ぼすごみ収集員たちへの知られざる影響

また、引っ越しがある年度末にもゴミは増えるかもしれません。年末大掃除の文化がある日本ですが、年末に集中することなく、日常的に考えられる人でありたいです。

この記事は、2021年12月に書いた記事ですが、
アベノマスクについては、2022年1月11日に以下の記事が出ています。
年度内廃棄予定のアベノマスク、配布希望者殺到で申し込み期間延長
一枚でも多く、必要とする人の手に渡ることを祈ります。

そして、2022年1月末には、以下の記事も出ています。
Z世代から教えられることも多いです。
「Z世代」加藤ジーナさん、初めて自分で服を選んだのは大学生「流行追うのは無意味だと気づいていた」(2022.01.27)

モノを買うこと、モノを正しく手放すことは、大人としての大切なマナーになります。


伊藤 緑

伊藤 緑SDGsナビ公式ライター

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フリーランスライターと並行して、企業や個人の広報コンサルや広報担当者の育成を行う。2012年より女性コミュニティプロデュースも開始。日本一優しいSDGsの情報発信を目指している。趣味は神社巡り。