安い卵は嬉しいけれど、どんな鶏が生んだ卵なのか?
卵の価格が上がりました。10円の違いでも売り場を見ていると売れ方が変わります。それほど、多くの人は価格に敏感です。
そんな卵ですが、私は以前、卵を食べない時期がありました。理由は、一度も土の上を歩いたことがない鶏が生んだ卵のエネルギーが高いわけない、なんてことを思ったからです。ちょっとスピリチャル的に思われてしまうかもしれませんが。ちょうどマクロビオティックが流行った頃です。
マクロビオティックって何?
一般的にスーパーに並んでいる卵は雌鶏だけで生んだ無精卵と言われています。温めてもヒヨコにはなりません。それらは比較的価格が安いのではないでしょうか? 卵の価格に幅があるのは、無精卵と有精卵の違い、そしてどんな環境で育てられたかも価格に反映されます。「エシカル」という言葉がありますが、これは「倫理的な」という意味。アパレルであれば、商品の素材だけでなく、どのような環境でそれが作られているか? も問われます。児童労働や労働搾取がされていないということです。そんなとき思ったのが、動物たちにもそれらは当てはまるのではないかということ。
子供の頃、近所に卵屋がありました。40年ほど前ですが、卵をパックで買うのではなく、カゴを持ってそのお店に行き「1kgください」と言って買うのが子供の私の仕事でした。その店の近くに鶏舎がありました。田舎でしたので、田んぼの横のようなところで見ることができました。
特殊卵名のインデックス
というサイトがありました。卵の販売名です。
気になるのは、
愛農 平飼たまご
赤城高原 放し飼い有精卵
奥出雲の平地飼有精卵 美地の玉
カワマタさんちの 放し飼いの卵
高級有精卵
というような名前です。放し飼いという言葉は、鶏が自由に走り回っているイメージがありますね。
調べてみると、
株式会社田部の「平飼い有精卵 彩り天佑卵」
には、“大自然の中で愛情を込めてのびのびと平飼いによって育てられた鶏さん達が産んだ有精卵。”と書かれています。
また、小林農園のサイトに「平飼いとは」のページがあり、以下のように書かれています。
“平飼いとはケージ(鳥かご)飼いではなく、平らな地面の上で放し飼いの状態で飼育する方法です。自由に動き回れるので体力がつき、病気になりにくい健康な体に育ちます。鶏たちは一日中地面をかき回したり突いたりして昆虫を探したり、穴を掘った地面に体を擦り付けて砂浴びをしています。砂浴びによって羽毛についた汚れや寄生虫を落とし体を清潔に保っています。”
そして、“日本の養鶏場の約90%以上が鶏をかご(ケージ)の中で飼育する「ケージ飼い」で鶏を飼育しています。”とも書かれています。
卵を選ぶこともSDGsに繋がる、そんなことを考えています。
卵の価格は?
卵は安いときは、10個入りパック100円のことがあります。地元にいるときには特売で、10個入りパック10円という日があり家族で並んだこともあります。価格に幅がある卵ですが、日本で一番高い(だろう)卵を調べてみました。あまり時間をかけて調べられなかったのですが、見つけたのが、
・熊本県天草市にある「天草タマンゴファーム」のマンゴーで飼料された「天草タマンゴ」
¥1,776(2個入り)/¥8,880(10個入り)※化粧箱入り
・「アクアファーム秩父」はテレビでも取り上げられており、彩美卵「寿」は、「1個500円の卵」として紹介されているようですが、500円で買えるのは店頭販売のみで通常は化粧箱入りで、
彩美卵「寿」ご贈答用10個 小売希望価格:¥10,980
彩美卵「寿」ご自宅用10個 小売希望価格:¥6,980
自宅用で1個600円以上、贈答用だと1個1000円です。スーパーで見る10個パック200~300円の卵とは価格が大きく違います。
調べたところ、自宅用として選ぶ一般の高級卵の価格は1個100~200円くらいのようです。
八ヶ岳卵(10個パック) 品価格帯:1000円~2,000円未満
緑の一番星30個(トレイ入) 商品価格帯:3,000円~4,000円未満
出自を知ること。きっかけはこの記事です。
SDGsは本当に正義なのか?…「満月のGHEE」開発者に聞く、エシカル消費の今
この記事内に牛のストレスについて書かれていました。これを読んで、過去に卵を食べなかったことを思い出したのです。そして、アパレルや宝石の出自を知ることの難しさ。そこには強制労働のようなことが行われているかもしれません。
以前、チョコレートの原料でもあるカカオを生産しているガーナのカカオ農家の貧困について書きました。彼らは自分たちが育てているカカオが何になるのか知りません。そして、チョコレートを食べたことがない人もいます。そのように作られたでカカオで高級チョコレートが作られているのは、とても悲しいこと。
【更新】カカオ農園はなぜ貧しいままなのか。「インターナショナルチョコレートアワード2019 アジア大会」銀賞受賞で思うこと。
生産者の日収は1ドル未満…困窮するカカオ農家救済に日本企業がプロジェクト発足
自分が食べているものや使っているもの出自を知り、選ぶものを決めることもSDGsです。