SDGs コラム

義務教育で使うものなのに、ランドセルは高い!? 捨てないリユースの時代へ。

小学校1年生のシンボル、ランドセル!

新年度がやってきます。そして、「ピッカピカの一年生~♪」(2020年度に約25年振りに復活した小学館の『小学一年生』のCM)の季節です。そして、彼らのシンボルでもあるランドセル。黒と赤だった時代から大きく様変わりし、「フィットちゃん」というランドセルは、50種類の色があるようです。6年間使うランドセル、後悔しない色を選びたいものですね。

ランドセル選び「ラン活」は、入学の1年以上前から始まっています。そんなランドセル。義務教育で使うものにも関わらず、“高い”と感じている方もいるのではないでしょうか? 6年使うものなので1年に換算すれば安いのかもしれませんし、革製品だから、ということもあります。しかし、入学時に必要なものはランドセルだけではありません。

以下のサイトには、入学時に必要な費用は約15万円と書かれています。小学校入学は前々から分かっていることなので、そのために用意をしているという方もいらっしゃると思うのですが、様々な家庭の状況がある時代、15万円が厳しいという場合もあると思います。ただ、子どもたちに我慢をさせるのは可哀そうですし、同じものを持っていないことが“いじめ”の原因になることもあるでしょう。

以下、入学時に掛かると言われている費用です。
小学校の入学準備にかかる費用はどのくらい?必ず用意しておきたいアイテム10個!

ランドセル(5~6万円)
防災頭巾(3,000円)
上履き(2,000円)
体操服・体育館シューズ・赤白帽子(16,000円)
手提げ袋(2,000~3,000円)
名札(500円)
文房具(5,000円)
防犯グッズ(2,000円)
雨具(2,000~3,000円)
入学式用フォーマル(6,000~10,000円)

この中でも目を引くのはランドセルの価格です。あくまで平均なので、もっと安いものもありますし、もっと高いものもあります。高価なランドセルは、いかほどかを調べてみました。すると、「売り切れ注意!高級ランドセルの価格と発売日まとめ」というサイトが見つかりました。2022年度のランドセルがすでに在庫終了という表示もあります。1年以上前から始まっているのですね。このサイトで高価なランドセルを調べてみましたら、

黒川鞄「総コードバン」    217,800円 でした。

また、ブランドランドセルでは、POLO RALPH LAURENとミキハウスで、220,000円という数字が出ていました。

上を見ればキリがありませんが、今ランドセルはリサイクルやリユースが進んでいます。

ランドセルのリユースは国内でも徐々に進んでほしい。

「ランドセル リユース」で検索をしてみると、寄付でリユースをいう言葉が多く出てきました。海外への送られるものが多いようですが、日本でも今、必要としている子どもたちは増えていると感じます。
6年間使うために作られるランドセルはしっかりとした作りのものが多く、6年使ったあとでも、メンテナンスをすればまだまだ使えるものもあるようです。そして、以下のサイトを見ると、ランドセルを6年間使わず、高学年になるとリュックなどに変える地域もあるようです。私の小学生時代も、男の子たち高学年になるとランドセルでない鞄で通学していた記憶があります。校則などで決められている学校もあると思いますがと、学校の風潮やサイズなどの理由があるようです。

2018年のデータですが、約25%がランドセルを6年間使わなかったと答えられています。
高学年からリュックに切り替える人が多いのはなぜ?(ランドセルを卒業まで使い続けるために)

使わなくなったランドセルはどうするか? 記念にとっておくと言う方もいらっしゃると思います。また、捨てようと思っているけれど、捨て方が分からないという方もいらっしゃるようです。もし、傷みが激しくなければ、リユースを考えることも今の時代には必要なことです。先日、関西テレビのニュースで奈良県のランドセル専門店「ランドセルの木ノ下」さんが行っている「ランドセルバンク」の取り組みが放送されました。動画が上がっていたのですが、見られなくなってしまったので、以下を掲載します。
●また誰かの翼に…寄付され“生まれ変わったランドセル”を「新1年生に贈るプロジェクト」
https://www.facebook.com/permalink.php?id=166910970025579&story_fbid=3606297002753608

ひとつずつ丁寧に傷みやほつれを直していらっしゃいます。

このようなひとつずつ丁寧に直していらっしゃいます。
“集まったランドセルは専用の洗剤で皮脂汚れや黒ずみを拭き取り、糸のほつれも補修する。へたりが出やすい肩ベルトはスチームアイロンで元の形に戻す。1個あたり30分~1時間かかるといい、仕事の合間や定休日に、桜クラブ’(木下さんが所属する奈良市の地域交流会)のボランティアにも手伝ってもらいながら作業する”

奈良新聞に以下の記事が出ていました。
ランドセル再利用へ生徒ら持参 – 生活困窮者に無料提供/奈良で専門店経営・木下さんが「ランドセルバンク」始動

国内の子どもたちへのランドセルのバドンが進み、みな笑顔で入学してほしいです。

災害時には企業からの寄付もある。

日本の状況もコロナ禍や災害で変わっていきいます。ランドセルメーカーの株式会社セイバンは、令和元年台風19号で被害を受けた子どもたちにランドセルを寄付しています。
令和元年台風19号被災地支援 『天使のはねランドセル』を寄付いたします


日本にもランドセルを必要としている子どもたちがいます。そういう子どもたちに届く組織が増えていくこと、また、それが物を大切にする、という気持ちに繋がれば嬉しいです。
新一年生には、笑顔で学校生活を迎えてほしいと思います。

ランドレセルのリユースに限らず、「就学援助」という国の制度もあり、2018年度には全国で約137万5千人が支給を受けています。

また、民間では新潟県新発田市にある「フードバンクしばた」のように、市内の小中学校29校へ学校で必要になる制服やユニフォーム、彫刻刀などの寄付を依頼し、「学用品リサイクルバンク」として無料配布しています。

リユースだけでなく、革小物にも

ランドセルの傷みが激しく、そのままのリユースが難しい場合には、革小物にリサイクルされる方もいるようです。革の一部を使って、別のものに生まれ変わる。物を使い倒す。思い出としても、物を大切にする、という意味でも。
物の輪廻のようにも感じています。


伊藤 緑

伊藤 緑SDGsナビ公式ライター

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フリーランスライターと並行して、企業や個人の広報コンサルや広報担当者の育成を行う。2012年より女性コミュニティプロデュースも開始。日本一優しいSDGsの情報発信を目指している。趣味は神社巡り。