SDGs コラム

2021年の恵方巻は完売した店舗も。食品ロス削減へのきっかけになるか!?

124年振りの2月2日の節分は、恵方巻の大量食品ロス削減への一歩になるか?

縁起物のイベントとして、江戸時代末期が起源といわれる恵方巻。2000年代にスーパーやコンビニで販売されるようになり、一気に広まったようです。昔の風習という意味では、日本らしさを感じますが、節分という一日が対象であること。太巻きという消費期限が短いものであることから、恵方巻大量食品ロスと言われるようになってしまいました。2021年の恵方巻はどうだったのか、調べてみました。いくつかのニュースサイトが取り上げており、予約をされた方が多かったこと、百貨店などは完売したところもあることで、例年のように夜になっても山積みの恵方巻が残っているというのは少なかったようです。私自身が、実際に見たのは、近くのコンビニですが、仕事帰りの16時過ぎに行ったときには、いくつか種類のあるうちの一般的なものは残り2本でした。他の種類も数本ずつ残っている程度でした。これであれば完売したと想像できます。

農林水産省で施行された法律、参画企業が増える「恵方巻きのロス削減プロジェクト」

2019年10月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、2020年2月には、食品小売業者に対して予約販売等による季節食品の需要に見合った販売する「恵方巻きのロス削減プロジェクト」を行っています。参画企業は26店舗。しかし、2020年はまだ廃棄が多いというニュースが流れていたように感じます。
そして、2021年の2月は参画企業が65店舗に増えました。多くの店舗で変化が見られたのは、企業側の生産体制の変化があったこと、予約購入を積極的に進めたこと、2020年からのコロナ禍での生活の変化など多くの理由があったように感じます。今年は、自宅で作ったという方も例年より多かったのではないでしょうか? そして、きっかけのひとつとして、2020年7月からプラスチック製買物袋が有料されたことも影響しているように感じています。人は、自らが経験するとそれに関連することに意識が向くものです。プラスチックゴミ削減と食品ロスは、同じことではないですが、SDGsという観点ではどちらも私たちにとってとても身近なことです。私は週に2日2時間程度、スーパーで仕事をしていますが、その定点観測ではエコバックを持ち歩く方は圧倒的に増えてきたと感じています。ひとつの会社でのことでしかありませんし、そのエリアでのことでしかありませんが、実際に自分の目で見ることで伝えられることがあると思い仕事を始め、続けています。2月2日の節分には仕事が入っていなかったので、恵方巻がどのように入荷されて販売され、廃棄があったのか? の実態を見られたなかったのが残念ですが、ネット上で調べる限り、昨年から変化があったと思われます。

完売したら、謝る必要があるのか?

ここで疑問に思うことがありました。完売したことは食品ロスの視点からすれば素晴らしいことです。しかし、完売した店舗は「完売いたしました。申し訳ございません」という謝罪を行っていることです。予約しておけば確実に購入することができます。コロナ禍もあり、人は予約をすることに急速に慣れたと思います。美容院や携帯ショップなども現在は予約制のところが多いですから。しかし、「行けばあるだろう」という意識があったようで、売り切れていて買えなかったという方も多かったようです。来年からは、恵方巻は予約して購入するもの、という流れができることを望みます。恵方巻は節分という1日のためのものなので、食べたいと思う人は自分が食べたい恵方巻を販売している店で予約する。そういう流れができることで、販売店も生産や発注数を調整しやすくなります。また完売したことでの謝罪がなくなり、カスハラも起こらないことが、旧暦での新しい年を迎えるのにふさわしいことだと感じています。完売は素晴らしいことです。謝罪ではなく「ありがとうございました」にできたら、嬉しいですね。

恵方巻以外でも、食品ロス削減は常に考え続けること。

ここまで、恵方巻のことを書いてきましたが、クリスマスやお正月にも同じようなことが起きています。有名店のホールのクリスマスケーキやお節料理を予約する人は多いのですが、スーパーやコンビニで売られるクリスマスケーキは予約があまり行われていません。2020年のクリスマスを調べてみたら、かなりロスが出たようです。ケーキも消費期限が短いもの、そして、24日、25日の2日に集中するもの。2019年から12月23日が祝日でなくなったことも影響しているかもしれません。また、ホールケーキなら予約するけれど、ショートケーキは予約しないため、食品ロスに繋がったようです。クリスマスのケーキ商戦も改善していきたいことです。

GEO-YAの登場。日常の食品ロスを減らすこと。

この時期に知ったことに、レンタルビデオ店「GEO」やリユース店「セカンドストリート」などを展開するゲオホールディングスが、2021年1月に、食品小売店「GEO-YA」を開店させていたことです。現在の店舗は板橋区の蓮根と常盤台の2店舗のみで、3店舗めの予定はまだないとのこと。24時間営業でセルフレジ、コンビニようですが、コンビニで目立つ消費期限が短いお弁当やおにぎりサンドイッチなどは売られておらず、飲料やお菓子、カップ麺など賞味期限が長い食品を扱っています。立ち上げの理由は、小売業として食品ロス削減にチャレンジしたいという考えからとのことで、リユース店「セカンドストリート」や文具「文具のブンゾウ」などを運営する企業の食品スタイルという流れでしょうか? GEOは買取も行っているので、業態的には大きな違いはないように感じます。

飽食と言われていた日本ですが、子どもの貧困が増えていますし、コロナ禍で生活が変わってしまった方もいます。食品ロスを引き取って必要な人へ届けるセカンドハーベストなどのフードバンクは増えてきました。2017年の数字ですが、全国で80ヶ所以上のフードバンク活動が行われているとのことです。

そして、恵方巻の時期だけでなく、毎日のように食品廃棄は起きています。そして、廃棄の際に排出される温室効果ガスは気象に影響を与えています。私たちは日常的に食品ロスを起こさないように個人が、3つくる責任、つかう責任 を自分事として考えるときなのです。


伊藤 緑

伊藤 緑SDGsナビ公式ライター

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フリーランスライターと並行して、企業や個人の広報コンサルや広報担当者の育成を行う。2012年より女性コミュニティプロデュースも開始。日本一優しいSDGsの情報発信を目指している。趣味は神社巡り。