外的要因で、急速に変わる働き方
コロナ禍で働き方が変わったという方も多いのではないでしょうか? これまでは想像できなかったリモートワークや、リゾート地や地方部など、通常とは違う場所で仕事の「work」と休暇の「vacation」を行うワーケーションという働き方。
「働き方改革」とは、「働き方改革関連法」で示されており、コロナ禍前の2018年6月に成立し、2019年4月から施行が始まっています。
しかし、実際、コロナ禍になる前にどれほどの働き方改革が行われていたのか? ということを考えると、一部の企業を除いてはなかなか難しかったのではないか? と思います。
「人は変化を恐れる傾向」があると言われています。もちろん、変化を望む方もたくさんいらっしゃいますが、変化はそれが嬉しいことであってもストレスが起こると言われています。企業が仕組みを変えることは、企業が大きいほど大規模工事を行うようなもの。一か所を変えれば、それによって、他も変わっていく、全体を俯瞰して行わないと、これまでの事業が崩れてしまう可能性もあります。
突貫工事的に行われた今回の変化。しかし、コロナ禍は永遠に続くものではないでしょう。コロナ禍で多くの人や企業が、外的要因により変化を強いられました。それを心地よいと思った方もいれてば、苦しいと思った方もいるでしょう。変化は摩擦。変わるときには痛みを伴うものです。そしてその先が100%良いものになるとは言えないのが現実。厳しい状況が待っているかもしれません。
しかし、同時に変化することで未来が拓けることもあります。これは、個人や企業の考え方や、物事に対する捉え方ともいえるのではないでしょうか?
本社機能の移転や、転勤・単身赴任の廃止
パソナが淡路島に本社機能を移す、アミューズが山梨に本社機能を移す、というニュースが流れました。そして、NTTが転勤・単身赴任を原則廃止というニュースが出ています。
NTT、転勤原則廃止 全社でリモートワーク基本に
転勤・単身赴任を原則廃止へ NTT、32万人リモート基本
NTT、転勤・単身赴任を原則廃止へ
単身補任は、家族の形を一時的に変えます。実際のどのくらいの人が単身赴任をしているか、調べてみました。
総務省「就業構造基本調査」よると、
単身赴任割合は、1987年の1.4%から2017年の3.0%に増えています。
女性も1997年の0.5%から2017年の1.2%に増えています。
また、転勤については、厚生労働省のサイトに掲載されている「企業における転勤の実態に関するヒアリング調査」を確認しました。
平成7年雇用動向調査では、労働者数の2.4%という数字が出ており、その後、調査はされていないとのことで詳細が分かりかねます。
しかし、転勤は従業員数が多い企業ほど、行われています。
そんななか、32万人が働くNTTが転勤・単身赴任を原則廃止にするというニュースはインパクトがありました。
緊急事態宣言下では、本来なら出張していた案件でもオンラインミーティングを行ったり、リモートでの打ち合わせが増えたりという現実があります。
変化を好まないとしても、できないという状況では、変えざるを得ないとう現実があり、やってみて出来たという結果が出れば、新たなルールになっていく、ということは考えられます。売上が落ちず経費削減になれば、なおさらです。
外的要因で守られる家族の形
家族の形はそれぞれですが、望まない転勤や単身赴任を行ってきた方や、転勤や単身赴任を今後望まない方にとっては、働き方改革には含まれていなかったことも、意味を持つように感じます。
コロナ禍で一気に変わった、働くことへの考え方。安泰と思われた職種が厳しくなったり、厳しいと思われていた職種が必要とされたり、今後も変化は続いていくと思われます。
個の時代が進む今、今後のキャリアや働き方を改めて考えてみる機会になるのではないでしょうか?