SDGsに関心を持っているのはZ世代と言われている。
小学2年生からSDGsを学ぶ時代になりました。高校では自分でできることを考えてみるということを求められます。そういう流れから、今のZ世代はSDGsに対して意識が高いと言われています。そんななか「エシカル就活」をいう言葉を創り出した人がいます。1998年生まれZ世代の勝見仁泰さんです。
高千穂大学の4年生。エシカル就活という言葉を生み、株式会社Allesgoodを立ち上げました。
プレスリリースが配信されています。
社会課題に取り組む企業と学生がつながるSNS型プラットフォーム「エシカル就活ーETHICAL SHUKATSUー」をリリース
また、「なぜ僕は「エシカル就活」という言葉を作ったか」という記事によると、エシカル就活というのは「人、地球環境、社会に配慮した企業を選ぶ就職活動」のこと(創案者:筆者)。
就活の仕方のひとつです。
「エシカル就活」という言葉が生まれる前にも、SDGsに積極的な取り組みをしている企業へ就職を希望する学生はいました。また、就活の際に、SDGsに関する活動をしていることを自分のアピールポイントにする学生もいました。しかし、SDGsという言葉を企業側が正しく理解できているか? という問題も同時に起こっているように感じます。
今、「企業にとってSDGsはやらなければならないこと」になっていますが、コロナ禍で厳しい企業にとっては難しいことです。
画一化しすぎている就活が変わるきっかけになるか?
就職活動にソーシャルメディアを使うようになったのは、2011年頃と言われています。その頃、「ソー活」という言葉が生まれました。今では、SNSを使うことが当たり前となり「ソー活」という言葉を聞くことはなくなったようですが、2011年には、KDDIとフェイスブック、「ソー活」支援キャンペーン が行われています。今も、就活にはいろんな形でソーシャルメディア(SNS)が使われています。そして、それは日々変わっていると感じています。企業は良い人材が欲しい。学生は希望する企業に入りたい。そのマッチングにはSNSは相性が良いのかもしれません。
ソーシャルメディアが使われるようになっても、実際の就活のスタイルは変わっていません。ずっと言われていることですが、なぜリクルートスーツを着るのか? なぜ茶髪だった人は髪を黒に染めるのか? なぜ履歴書は手書きなのか? なぜ面接で聞かれることは決まっているのか? など。そして、必ず聞かれる志望動機。学生が答える言葉は常に真実でしょうか? このような形式的な就活で、自分という人間が伝わるのか?と学生は感じているでしょう。また、企業は、本当に求めている人材に出会えるのか? と感じているでしょう。
コロナ禍で働き方が変わり、副業OKの企業も増えました。また、出勤日を減らし在宅とのハイブリットの働き方が定着しつつある企業もあります。企業に雇用される時代は終わっていくのかもしれません。企業と働く人は対等という時代がくるのかもしれません。日本では、どうしても採用してもらう、雇ってもらうという考え方が先行しているように感じます。もちろん、企業は人の集まりなのですが……
そして、これからの働き方に必要なもののひとつに、“個の力”があると感じています。企業という組織に合わせて言われたことをやる社員ではなく、得意な分野を持ち提案ができる人です。もちろんすべての人に求められているわけでも、すべての人がそうならなくてはならないわけでもありません。企業によっては、まだまだ先の話かもしれません。しかし、Z世代が働き方を変えていくのではないか、と思っています。
そこで、エシカル就活について改めて考えてみました。
エシカル就活というのは「人、地球環境、社会に配慮した企業を選ぶ就職活動」のこと(創案者:筆者)。
これは素晴らしいことですが、少し受け身なように感じます。「人、地球環境、社会に配慮した企業」がすでにあり、その企業への就職を希望する。しかし、「人、地球環境、社会に配慮した企業」は、正直まだ少ないです。一部の大手は始めていますが、中小企業はまだこれからという企業もあります。ですので、就活の際に、自らがこの会社でSDGsについて提案をしたい、という就活の仕方もあるのではないか? と考えています。
朝日新聞の調査によると
【SDGs認知度調査 第7回報告】SDGs「聞いたことがある」約5割
“年代別でみると、「15~29歳」が52.1%で最も高く、次いで30代の48.1%、50代の44.8%、40代の43.9%。若い世代を中心に認知度が高まっていることがわかった。職業別では、管理職(65.4%)と学生(60.0%)が、いずれも6割に達し、教育関係者(59.7%)、事務・技術職(50.9%)も5割を超えた。”
という数字が出ています。
実際にSDGsに意識が高いのは、就活生世代です。すでに始めている企業が用意している場所を選ぶだけでなく、「この会社であればこういう活動ができる」という思いをぶつけてみるのはいかがでしょうか?