海洋汚染への入口は、川にある。
SDGsという言葉を聞くと、どうしても海洋汚染、地球温暖化、世界の貧困など大きなテーマを想像してしまいます、という声を聞くことがあります。私自身、SDGsを理解しようと、セミナーに参加してみたもののテーマが自分から遠く、広報担当者として、どう理解すればよいのか? 悩んだ時期もありました。しかし、その後、企業や個人の活動からのSDGsを目にするようになり、まさに「海洋汚染の入口は、近所の川にある」「地球温暖化の入口は、ごみの捨て方にある」と気づき、このサイトでは分かりやすい事例をいれて書かせていただこうと思っています。
先日、記事になった「使い捨てカイロ」の記事があります。
使用済の「使い捨てカイロ」で水をきれいに 環境のため再利用…夢は大阪万博「夢洲の海を浄化したい」
これは、「使い捨てカイロ」の中に入っている酸化鉄を利用して水をきれいにするというプロジェクトです。まさに、海洋汚染の入口は身近に流れる川にありますから、その川を綺麗にすることに役立ちます。
「使い捨てカイロ」は、1975年に日本企業が開発商品化したものです。温めたものを持って出かけても寒い冬には時間経てば冷たくなり、荷物にもなってしまう通常のカイロとは違い、便利に使える商品として一気に広まりました。この季節には手放せないという方も多いのではないでしょうか? 便利な使い捨ては、たくさんあります。そして、それを辞めることは残念なことですし、なかなかできません。だからこそ、辞めることを考えるのではなく、単なる使い捨てではなく、使い倒してこれで十分というところまで使う流れを作ることで、「使い捨て」を残すことを考える、それが便利に慣れた私たちがしていくことではないでしょうか? 使い終わったら捨てる → 使い終わったら他に使い道がないか考える、です。
電気自動車の電池の再利用
そして、こちらも再利用です。少し規模が大きくなりますが、今後増えていく電気自動車(EV車)に使われているリチウム電池の再利用です。現状、回収数は少ないようですが、「2050年までに温室効果ガス実質ゼロ」を謡う日本では、今後、EV車が増えていきます。当然使われる電池も増えていきます。EV車で使えなくなった電池も車は動かせないけれど、小さいものならまだ充電可能なようです。このような記事や報告書が出ています。目的を変えれば、まだまだ使えるものはたくさんあると思います。
EVリユース電池を再利用したモバイルバッテリー「R-ARCA」2021年2月に販売開始
ハイブリッド車用リチウムイオン電池のリマニュファクチャリング検証事業
個人の習慣を変化させること
SDGsは、個人でできることと、企業単位や自治体単位、国単位ででないとできないこと、様々なことがありますが、すべての根っこは、個人の意識を変えていくことです。人は行動を変えることで、それを習慣化することができるといわれているからです。
マザー・テレサの言葉です。
“思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。”
つまり、思考を変え、行動を変えることで習慣化できるということです。何気なく繰り返していることを少し変えることで、未来が変わる。これを多くの人が行えば、地球規模での変化も起こるように感じています。個人の力は小さくても、集まれば大きくなる。
「使い捨て」はたぶん辞められません。だったら、前述したように、使い捨てのものをすぐに廃棄せずまだまだ使える部分を探し、とことん使い倒す、それをビジネス化する。そこにどんな発想が生まれるか? 大人はもちろん、若い世代の柔らかい頭でもぜひ考えていただきたい、と思っています。それがプロジェクトになり事業になる可能性がありますから。