ごみ袋の名前を変えることで、ごみは減るか?
SDGsを語るうえで、ごみ問題は切り離せないことです。福岡県柳川市は、2021年から分別のためのごみ袋の名前を「燃やすごみ」から「燃やすしかないごみ」に変更します。
この名称変更は、市民のための意識付けが目的あり、「燃やすしかないごみ」は、袋にいれる前にどう頑張っても燃やすしかない、資源にならない・再利用できないものを入れる袋という意味のようだ。
この名前は全国で初めてのようで注目されています。言霊という言葉があるように、言葉を変えることでごみが減るかどうか? 結果を知りたいと思っています。名前の変化でごみが減れば、他の自治体も考えていくかもしれません。ただ、人には“慣れ”があります。
「燃やすしかないごみ」はインパクトのある言葉ですが、慣れてしまわないように、袋にいれる前に考えることを習慣にしていただきたい、と思います。
ごみついて、どのくらい考えたことがあるのだろう?
「燃やすしかないごみ」と言われて、正直、どういうこと? と考えてしまいました。燃えないごみや資源ごみ以外は、燃えるごみでしょ、という意識が自分のなかにあったからです。私が住んでいる地域は現在、資源ごみ、可燃ごみ、燃えないごみ、ペットボトル の4分別しかありません。
しかし、2021年から紙パックの回収が始まるという連絡がきました。そのときに、紙パックはスーパーにもっていかなくても、回収してくれるということか、と思いました。実は、これまでスーパーがちょっと遠いので、燃えるごみ入れていたこともありました。そして、こういう一人ひとりの積み重ねがダメなんだということに気づきました。ごみの分別をきちんとしている方々にとっては、当たり前のことでも習慣になっていない私には、新たな習慣の始まりです。
そこで、改めて自分が住んでいる地域のごみの分別の確認ををしました。ここの記事で、徳島県上勝町の45分別について書いているくせに、自分が理解できていないことがいくつかあることにも気づきました。ごみの分別は地域によって違います。年の代わりにごみの収集方法が変わる場所もあるようなので、ご自身の地域の分別を改めて見直す機会かもしれません。2020年はレジ袋の有料化もあり、ごみ袋どうするか問題もありました。また、緊急事態宣言の際には断捨離がブームになり、家庭ごみが増えました。
資源になるもの・再利用できるもの・誰かに譲れるもの、と実家の押し入れ
「燃やすしかないごみ」袋にいれる前に、考えることは、資源にならないか? 再利用できないか? 誰かに譲れないか? など考えることはいくつかあります。どうしてもどれにも該当しないとき、初めてその袋に入れる。そんな習慣を自分に身に付けたいと思います。そして、ごみを減らすことを一番に考えたいと思っています。それは、むやみな購入を避けること。新しいものを購入するまえに手元にあるものが使えないかを考えます。
それを使って使い倒して、もういいよねというところで「ありがとう」と感謝して処分しよう、という意識にしていこうと思っています。食器類も100均に行けばたくさん並んでいますが、考えてみると、昔いただいた食器が実家にあったなと思い出しました。
今は帰省できませんが、昨年、それに気づきいくつか持ってきました。意外に良い食器が使わずにとってあってびっくりしました。あら、オシャレと思って使っています。いつか使おうと思って取っておいたものですが、“いつか”なんて来ないことに気づき、けっこう良い食器が日常使いになっています。粗品でいただいた小鉢がいくつかあり便利に使っています。実家の押し入れは、ビックリするほどいろんなものが眠っているな、と感じたものです。今年はタオル類を実家から送ってもらいました。タオル類も、以前よくいただいたものです。購入を考える前に、家にあるものを使う。それもごみを減らすことの一歩です。年末年始、使っていないものがないか、押し入れを調べてみるのはどうでしょうか? 今年の年末年始は自宅で静かに過ごしてください、と言われておりますし。
ごみ収集をしてくださる方への心遣い
コロナ禍になり家庭ごみが増えるだろうな、と思っていたら、すぐにそんなニュースがいくつか出ました。ゴミ清掃員としても働くごみに関する本も出版されている芸人、マシンガンズの滝沢秀一さんのインタビューも増えています。そこには、ごみに対する一人ひとりの意識について書かれています。
ごみ捨て場から見えたのは、こころの問題。“ごみ清掃員芸人”滝沢秀一さんのメッセージ
「日本人はマナーがいいなんて嘘」ごみ収集員が対峙する日本の違反ごみ
ごみを出す人にとっては、ごみ置き場においたら、もう関係ないものになるのですが、ごみはそれで終わりではありません。ごみを収集してくれる方がいなければそこに置かれたままです。また、処理をしてくださる方がいるからこそ、生活が回っているのです。それには、ひとりずつの協力が必要です。これらの記事を読んで、コロナの感染リスクについての危険性も感じましたが、割れ物やかみそりなどの危険物の捨て方について、意識が低いことにも気づきました。「感謝の言葉より、割れ物であることを書いてほしい」という収集員の方の言葉が出ている記事もあります。壊れ物や刃物は、怪我に繋がります。とても危険な仕事だと改めて考えさせられました。そういう危険物の捨て方も習慣にしていくべきです。私自身、完璧にできているかというとお恥ずかしい限りですが、ごみに対する意識を変えていかなければ、未来は厳しいものになってしまうと感じています。そして、安いから買っちゃおうとか、使わなかったら捨てればいい、という考えこそ捨て、買う前に本当に必要かを考えることが、ごみを減らす本質のように感じています。
上勝町ゼロ・ウェイストセンター「WHY」が伝えること。
以前も紹介しましたが、5月にOPENした、上勝町ゼロ・ウェイストセンター「WHY」は、ただ45分別をしているだけではなく、ごみについて考えています。「?」の形をした建物は、問いかけます。そして、体験型施設として、ごみと向き合うこと、実際に分別することが経験できる体験施設です。45分別は大都市では難しいことですが、分別の仕方を知ることはどこでも役立ちます。先日、Twitterに妖怪の絵を投稿している「さきゅう@創作妖怪描いてます」さんが、道に捨てられたマスクを「口覆ひ(くちおおい)」と妖怪化させたイラストニュースにもなりました。マスクの捨て方は以前とはすでに違います。そして、もうひとつ、自動販売機の横にあるボックスはごみ箱ではなく「リサイクルボックス」だということ、ご存じでしたでしょうか?
上勝町ゼロ・ウェイストセンター「WHY」のサイトに書かれていること。
WHY do you buy it?
上勝町ゼロ・ウェイストセンター
WHY do you throw it away?
なぜそれを買うのか?
なぜそれを捨てるのか?
私たち消費者は問いかけられます
WHY do you produce it?
WHY do you sell it?
なぜそれを作るのか?
なぜそれを売るのか?
私たち生産者は問いかけられます
上勝町ゼロ・ウェイストセンターでは、WHYという疑問符を持って生産者と消費者が日々のごみから学び合い、ごみのない社会を目指します。
すぐにごみをゼロにすることは難しいですが、捨てる前に燃やす以外に何か利用方法はないか?を考える習慣をつけたいと思います。