SDGs17の目標のひとつに「5. ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る。」があります。
ここには、女性活躍など前向きなことも含まれますが、「5.2人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女子に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。」があります。
今日は世界が新型コロナウィルス感染症という見えない敵と向き合うことになったことで起きているドメスティック・バイオレンス(DV)や虐待について書かせていただきます。これまで無縁だった方が、この特殊な状況で被害にあっている可能性があるようです。
資本主義社会で、自由を当たり前に生きてきた私たちは今、一定の不自由さを味わっています。命と引き換えと言われてやっと守ることができるくらい、日本人は危機感が乏しいと、改めて感じています。そんななか、各メディアから出たニュースが、外出自粛によることで起こっている、虐待やDVについて。ジェンダーについてやっと考え始めた私たちが、時代を戻ってしまうような話です。
ニュースを見ると、家庭内での男性による暴力などが増えており、「全国女性シェルターネット」には、相談が寄せられているということ。皆で終息に向け力を合わせようと言っている裏側では、もしかしてあなたの身近が誰かも被害に合っているかもしれません。また、あなた自身も被害者であるのかもしれません。
誰もが「コロナ疲れ」です。それは誰もが同じ。しかし、起きてしまうDVや虐待。弱者への攻撃。ジェンダーの問題に限らず、「3.すべての人に健康と福祉を」という目標もあります。有事の際の人の行動こそ、その人の本質が現れます。神のようにあれ、と言っているのではありません。今はみなが力を合わせるとき、一人ひとりの行動が問われるときです。まさに今回の新型コロナウィルス感染症の世界的な発生は、SDGsの多くの目標に向くものです。
言葉だけでない行動で示すこと。それが本当にできる人であるかどうかが、問われる時がきています。
そして今、DVや虐待で苦しんでいる方は、救いの手を求めてください。世の中はそれどころではないかもしれませんが、新型コロナウィルス感染症から身を守ることができても、DVや虐待で、心や体に傷を負ってはなりません、ましてや命を落としてしまっては本当に意味がありません。
誰もが、怖い状況です。東京大学の鳥海不二夫准教授(計算社会科学)によると、Twitterに投稿された言葉は、3月30日に志村けんさんが新型コロナウィルス感染症で亡くなられたあと、「怖(い)」「厭」といった否定的な感情が急増したとニュースに出ています。少し他人事だったことが自分事になったのかもしれません。
そのような状態で、誰かを攻撃することはもっともやってはいけないこと。改めて持続可能な社会を作っていくための17の目標を見直す時期だと考えています。
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SDGsライター: MIDORI