朝日小学生新聞、読売KODOMO新聞は、2019年7月6日(土)、日本科学未来館(東京都江東区)で、環境省、国連広報センター、内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」後援、株式会社伊藤園共催のもと、『小学生SDGsサミット~小学生が考える「日本の暑さ対策」~』を開催いたしました。
参加小学生によるSDGsを意識した「温暖化/気候変動への対策」を考えるグループワークおよび発表会のほか、SDGsの第一人者でもある蟹江氏による基調講演も実施いたしました。
蟹江氏による基調講演 「大切なのは、誰一人取り残されないこと」
慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 教授 蟹江 憲史氏
現在SDGsについて様々な場面で話題となっています。SDGsにおいて一番大切な理念は“誰一人取り残されないこと”です。
「日本だけではなく世界の人々と一緒にこの問題に取り組んでいく姿勢」、「地球はつながっている」という意識が重要です。
また、17個の目標には環境、経済、社会と、3つの側面があり、それぞれが相互に関連し合っています。時には一つの目標を達成することが他の目標に悪影響を及ぼすこともあります。しかし、少しの工夫で一つの目標だけでなく、他の目標も同時に達成することもできです。
本サミットはより多くの目標を達成できる、色々なアイディアを考える機会になるかと思います。
『小学生SDGsサミット ~小学生が考える「日本の暑さ対策」~』とは?
『小学生SDGsサミット ~小学生が考える「日本の暑さ対策」~』は主催:朝日小学生新聞・読売KODOMO新聞、共催:株式会社伊藤園による企画です。
本サミットでは、SDGsの17の目標のうち、ゴール13「気候変動に具体的な対策を」を主題とし、地球温暖化に伴う【暑さ対策】について、朝日小学生新聞、読売KODOMO新聞により選出された全国の小学5,6年生が各チームに分かれ、グループワークを実施し、アイディアを発表する機会です。
また、各チームの発表に対し、慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科教授 蟹江憲史氏、一般社団法人アツいまち代表理事 中島雄平氏、朝日小学生新聞 編集長 別府薫氏、読売KODOMO新聞 編集長 新庄秀規氏ら、有識者による講評を行いました。
各チームによる発表内容
Aチーム「生ごみは植物の栄養に」
今まで捨てられていた食べ物のごみ、食品ロスを植物の肥料などにして再利用することを提案。
オレンジの皮をジャムやオレンジピールにする、米のとぎ汁を肥料にすることによって、ごみが減る。ごみが減ることによる二酸化炭素の減少。その他にも、植物による二酸化炭素の吸収、木陰ができることで涼しい場所が増えるといった効果も期待できる。
SDGsの中では、12「つくる責任 つかう責任」、13「気候変動に具体的な対策を」、14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かさも守ろう」の目標に貢献できる取り組み。
Bチーム「グリーンカーテンで地球を救おう」
スイカやメロンなどを植えることで、家のベランダや窓にグリーンカーテンを設置、さらにこの取り組みについて新聞やポスターを作成、駅前や学校で呼びかけを行う。クーラーなどの代わりにグリーンカーテンを用いることによって室温を下げ、二酸化炭素の排出を減らしつつ、涼しく過ごせるようにすると共に、取り組みの周知をすることによって温暖化対策について関心を持ってもらうことが目的。
SDGsの中では、3「すべての人に健康と福祉を」11「住み続けられるまちづくりを」、15「陸の豊かさも守ろう」、17「パートナーシップで目標を達成しよう」などの目標の役に立つ取り組み。
チームC「クーリングエコボックス」
クーラーボックスをまちなかに設置、その中で冷やしたミストや氷などを打ち水のように道路に撒く。目的は、地面の温度を下げ過ごしやすくすること、クーラーの使用を抑え二酸化炭素排出量を減らすこと。
SDGsの中では、3「すべての人に健康と福祉を」11「住み続けられるまちづくりを」、13「気候変動に具体的な対策を」、15「陸の豊かさも守ろう」などの目標に当てはまる取り組み。
講評
慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 教授
蟹江 憲史氏
どのチームにも面白いアイデアがありました。こだわりを持たず柔軟に考えることが出来るという大人にはない発想は本当に素晴らしいので、これから大人になっても今の柔らかい頭を持ち続けてほしいです。
今回最終的に発表されたアイデアは、個々が事前に考えてきたものにはなく、ここに来てはじめて仲間と出会って話すことができて、出来上がったアイデアです。
SDGsの目標の17番目、「パートナーシップで目標を達成しよう」という項目は周りの人だけでなく今まで出会ったことのない人達と一緒に同じことを考えて新たなものを創るということです。
ぜひこういう機会を増やしてほしいと思います。
一般社団法人アツいまち 代表理事
中島 雄平氏
すっきりまとめられていて、絵もついていてすごく分かりやすい発表であると思いました。
身近にあるものを入り口にした案や再現性の高い案など、自分自身も是非取り組んでみたいと思える発表でした。発表された案の中には地域性を加えることで、地域の助けにつながるものもあり、ぜひ実際に広めていっていただければと思います。
朝日学生新聞社 朝日小学生新聞編集長
別府 薫氏
短時間でカラフルな絵も含めてわかりやすく伝えることができる、すごい皆さんだなと思いました。
Bチームのグリーンカーテンの案は是非、この夏休み自由研究でも良いですし、実際に作ってみて、どうだったかを報告してもらえると嬉しいです。
Aチームの自分の生活も豊かになるアイディアやCチームの小学生の皆さんらしい斬新なアイディアもすごく素敵でした。
読売新聞東京本社 読売KODOMO新聞 編集長
新庄 秀規氏
具体的で素晴らしいアイデアばかりでした。日々の生活の中で自分で見た話が組み合わさっている。さらに自分たちで実施できるような話になっていて良いと思いました。
自分でやるだけではなく、いろんな人に呼びかける仕組みも評価できる点でした。
議論の過程でも、環境問題の問題点を掘り下げ、「どうなるんだろう?」というところまで考えられていました。
「アツいまちサミット~涼活~」について
アツいまちサミットとは、暑さ日本一の記録を持つ「熊谷市(埼玉県)」、過去に日本一の記録を保持していた「四万十市(高知県)」、「多治見市(岐阜県)」「山形市(山形県)」の民間団体がタッグを組み結成した組織です。
「アツいまちを住みよくするために私達にできること」を理念に掲げ、 全国各地でアツさに負けない持続的な社会の実現にむけて取り組んでいます。
SDGsという観点では、11番「住み続けられるまちづくりを」を目標に、13番「気候変動に具体的な対策を」という視点で取組んでいます。特に、17番「パートナーシップで目標を達成しよう」では、アツいまち同士で協力したり、今回の様に伊藤園をはじめとした企業と一緒になって取り組むこと、実際の活動を通じ商品を作り地域に産業を作ってくなど、一つの活動を通じ、同時に様々なSDGsにおけるゴールを達成をしているという状況です。
「伊藤園のSDGsの取り組み」について
伊藤園は、2017年に第一回ジャパンSDGsアワードでパートナーシップ賞を受賞しています。茶産地育成事業や茶殻リサイクルシステムなどの事業活動を通じてSDGsが掲げる持続可能な社会に貢献していきたいと考えております。伊藤園は全国各地に拠点があり、地域に根ざした事業活動を展開しています。
1年の中でも、特に暑い夏に好適な「健康ミネラルむぎ茶」をお客様にお届けするだけではなく、社員が暑さ対策まで考え、快適で健康的な夏を過ごして頂けるようにアツいまちサミットをはじめとした、地域社会の皆様と一丸となってこれからも日本の暑さ対策に取り組み、持続可能な社会に貢献してまいります。