ボディーソープやシャンプーなどを購入するときに、時期によって販売促進のためのシールが貼られている商品があることは、ご存じだと思います。何気なく見ているこのシール。これもプラスチック製です。花王は、2020年3月17日、以下の発表をしました。
販売促進のため商品に貼っているプラスチック製シールについて、4月以降に販売する「ビオレu(ユー)」ブランドのボディーソープなどには使用しないと発表した。プラごみ削減に向けた取り組みの一環で、21年末までにグループの全商品での廃止を目指す。
これは、同社が2019年4月22日に掲げた、ESG(環境、社会、ガバナンス)戦略「Kirei Lifestyle Plan」のおそらくひとつです。多くの商品を持つ企業が、販促シールについて、「ビオレu(ユー)」という商品から始めるSDGsへの取り組み。小さなことに見えるかもしれませんが、大きな一歩になると思います。昨年から「SDGsウォッシュ(SDGsウォッシング)」という、SDGsに取り組んでいるように見せながら、実態が伴わないビジネスがあるという言葉もネット上には流れています。
SDGsは掲げること、提案することが目的ではありません。実際に行ってこそです。SDGsという言葉は、当初なかなか浸透しない言葉でした。しかし、近年急速に使われるようになり、同時に社会問題に取り組まない企業の企業価値が問われるようになったことで、目標だけをまずは作る企業も増えたのかもしれません。ホワイト企業に見せるために、やっている風にみせてやっていない、これではブラック企業になってしまいます。実際に動き少しずつでも結果を数字で示すことが必要です。また、ビジネスマンであり、消費者であり、地球に生きる私たちは、その実態を見極める目を持つことが問われるようになるでしょう。
今、ドラッグストアではマスクが並ばず、衛生商品やトイレットペーパーの品薄が続いていますが、ソープ類売り場で販促シールがいかに使われているか、ご自身の目で確認してみてはどうでしょうか? 2021年までに花王ではグループの全商品での販売促進のためのプラスチック製シール廃止を目指すとのこと。これに追随する企業が現れると思います。
すでに、ネスレ日本は、2019年8月に「キットカット」外袋を紙に変更しています。
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