同じAIでも『裏取り』手順を足すだけで防災Q&Aの食い違いがゼロに

ジャグプロジェクト合同会社は2026年10月30日、生成AIの誤回答を抑える仕組み「Jag ウラドリ System」を旅行以外の分野の事業者・団体向けに提供開始しました。あわせて防災分野での追試結果を公開し、2026年10月2日の測定で、防災相談30問における公的情報との食い違いが仕組み導入前の16問から0問に減ったことが実施済みの検証として示されています。
防災相談30問で検証、要点網羅率は51.4%から93.8%へ
同社は東京都江東区24問・江戸川区6問からなる防災相談30問(避難所、給水、防災窓口、罹災証明書、帰宅困難者、ハザードマップなど)で追試を実施しました。2026年10月2日の測定では、仕組みを当てる前の同じAIは16問で公的情報と食い違いましたが、Jag ウラドリ Systemを適用した形では0問となりました。江東区の24問に限ると、答えに含まれるべき要点の網羅率は51.4%から93.8%に上昇しています。ただし同社の形は江東区の公的情報で確かめた資料を参照する前提のため、資料のない江戸川区6問では要点網羅率が9.7%にとどまり、代わりに6問すべてで確認先の窓口を案内する結果になったと報告されています。
AIを替えずに『裏取り』する6つの手順
Jag ウラドリ Systemは、報道取材で使われる「裏取り」の考え方をAIの回答の前後に組み込む仕組みです。具体的には、固有の事実は確認済み資料にあるものだけを答える「生成させない」、回答中の番号・場所を資料と照合する、別会社のAIが回答を点検する、報告書は文章生成でなく事実を抜き出して組み立てる、資料にない内容は「確かめられない」と回答し次の問い合わせ先を添える、同じ問いを定期的に答えさせて基準と比較し続ける、という6手順で構成されます。現在使用中のチャットボットや業務用生成AIを置き換える必要はなく、AIが参照する資料と回答ルールを整備し、定期的に効果を測定する点が特徴です。
提供メニューの入口は『誤回答の診断』
提供形態は、①仕組みの導入、②公的情報や企業規程から項目別一覧表を作り週次で最新性を点検する資料整備、③現行AIの回答を基準を決めた上で伏せて採点し報告書と検証設計書を作る誤回答診断、④分野ごとのアプリ提供、の4つです。入口となる「誤回答の診断」では、設問と正解根拠、公的情報との食い違い一覧、要点網羅率、危険な回答例、改善提案が2週間を目安に提供され、測定期間中は現行AIに手を加えないとされています。価格は個別相談としており、具体的な金額は発表資料に記載なしです。
関連するSDGs目標
生成AIの回答精度を検証・管理する仕組みは目標9が掲げる技術革新とインフラの信頼性向上に合致します。また防災情報や避難所情報など住民の安全に関わる公的情報の正確な伝達を支える取り組みは、目標11が目指す強靱で安全なまちづくりに資する具体的な関係があります。
関連ページ:目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう/目標11 住み続けられるまちづくりを
読者・企業への影響
防災・医療など公的情報の正確性が人命や生活に直結する分野で、生成AIの誤回答を抑える仕組みが実証されたことは、自治体や企業がAI導入時に抱える『正確性担保』という課題への具体的な対応策になり得ます。国のガイドラインや金融庁の論点とも整合する検証設計書が提供される点は、調達担当者や広報・カスタマーサポート部門にとって参考価値があると編集部は見ています。ただし効果は参照資料の整備状況に依存するため、資料のない地域では精度が下がる点にも留意が必要です。
数字・期限・対象地域
- 数字・規模:防災相談30問(江東区24問・江戸川区6問)で食い違いが16問から0問に減少、江東区の要点網羅率は51.4%から93.8%に上昇、公開配布物396項目の裏取り一致率は92%
- 期限・時期:2026年10月30日に旅行以外分野への提供開始、防災追試の測定日は2026年10月2日(一部再測定は10月13日)
- 対象地域:防災追試の対象は東京都江東区・江戸川区、サービス提供自体の対象地域は発表資料に記載なし
次に取れる行動
生成AIを業務で利用する企業・自治体担当者は、公式サイトの問い合わせ窓口(info@jagproject.com)や事業企画・マーケティング相談ページから、まず『誤回答の診断』メニューについて問い合わせ、自社AIの回答精度を客観的に把握することができます。
影響・行動に関する記述はSDGs NAVI編集部の見解です。
