水も食料もあるのに靴がない―オフィス防災に潜む「足元の盲点」

作業用品総合商社の株式会社キタヤマ(東京都大田区)は2026年11月6日、防災庁新設を受けて実施した「企業の足元防災に関する実態調査」の結果を発表しました。企業の70%が避難・帰宅用の靴を備蓄していない実態が判明し、同社は同月より日常使いの安全靴『ANGE(アンジュ)』の法人向け無料試着キット提供を開始しました。
非常食・水はあっても靴がない「3割未満」の衝撃
同社が20〜60代のオフィス勤務者300名を対象に2026年10月に実施したインターネット調査(単一回答)では、「避難・帰宅用の靴を備蓄しているか」との質問に対し、70.07%が「いいえ(備蓄していない・分からない)」と回答しました。非常食や保存水、ヘルメットの備えは進む一方で、歩行避難に直結する靴の備蓄企業はわずか3割未満にとどまり、備蓄の盲点が浮き彫りになりました。
「今の靴では逃げられない」従業員自身の危機感7割
同社が過去に実施した調査では、大地震発生時に普段の革靴・パンプス・一般スニーカーでガラスや瓦礫が散乱する街を怪我なく歩いて避難・帰宅できる自信があるか尋ねたところ、70.6%が「自信がない・怪我をすると思う」と回答していました。薄い靴底や甲の露出した靴では足裏や甲への穿刺リスクが高く、負傷により避難行動自体が不可能になる危険があると指摘されています。従業員の危機感とオフィスの備蓄実態には深刻なギャップがあります。
保管場所ゼロ・廃棄コストゼロを実現する「備えない防災」
靴の備蓄が進まない背景には、保管スペースの圧迫、期限切れによる全数廃棄損、入退社に伴うサイズ管理の煩雑さといったハードルがあると説明されています。これを解決するのが、フェーズフリー協会の認証(認証番号:PF0125080)を取得した安全靴『ANGE』です。日常業務で履くことで倉庫保管が不要になり、鋼製先芯で瓦礫やガラスから足先を守り、超軽量約265gのニット設計とゴムソールで日常の転倒労災も防ぐ構造とされています。
総務・防災担当者向け無料試着キットの内容
社内稟議や役員会での提案をしやすくするため、法人限定で無料貸出キットの提供が2026年11月より開始されました。キットには試着・サイズ確認用サンプル靴、従来備蓄とANGEを比較したA4シート、返却用着払い伝票が含まれ、貸出期間は2週間で発送・返送費用は同社が全額負担するとされています。対象は企業・自治体・医療福祉施設などの総務・防災担当者で、問い合わせフォームまたはFAXから申し込む方式です。
関連するSDGs目標
災害時の歩行避難を可能にする安全靴は住み続けられるまちづくり(目標11)の防災対策に直結し、フェーズフリー認証という新たな製品設計の考え方は産業と技術革新(目標9)の一例といえます。また日常使用により廃棄ロスを減らす仕組みはつくる責任つかう責任(目標12)にも関連します。
関連ページ:目標11 住み続けられるまちづくりを/目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう/目標12 つくる責任 つかう責任
読者・企業への影響
調査によれば企業の7割が避難用の靴を備蓄しておらず、従業員自身も現在の靴では避難時に怪我をする不安を抱えています。BCPや安全配慮義務の再点検が進む中、保管場所や廃棄コストの制約から靴の備蓄が後回しにされてきた実態が明らかになったことで、総務・防災担当者が足元対策を見直すきっかけになると考えられます。
数字・期限・対象地域
- 数字・規模:企業の70.07%が避難用の靴を備蓄せず(有効回答300名、2026年10月調査)。過去調査では70.6%が普段の靴での避難に自信がないと回答。ANGEは片足約265g(26.0cm)。試着キットの貸出期間は2週間。
- 期限・時期:発表日は2026年11月6日。法人向け無料試着キットの提供は2026年11月より開始(実施済み)。
- 対象地域:発表資料に記載なし(調査対象は全国の働く世代、オフィス勤務者)
次に取れる行動
企業や自治体、医療福祉施設の総務・防災担当者は、株式会社キタヤマの問い合わせフォームまたはFAXから『ANGE』の無料試着キット(貸出期間2週間)を申し込み、社内での防災備品見直しの検討材料にできます。
影響・行動に関する記述はSDGs NAVI編集部の見解です。
